広島市とJR西日本、広島電鉄の3者は、広島駅南口広場の再整備を進めています。
再整備に伴い、現在の駅ビル「ASSE」は建て替えられる事となっており、2020年3月に閉館し解体工事に入ります。
建て替えられる新ビルは地上20階建てで、ホテルや商業施設、シネマコンプレックスを備える複合ビルになります。
また、路面電車が現在の猿猴橋町を経由するルートから駅前大橋線を経由するルートに変更されるとともに、ビルの2階に高架で乗り入れることで、JRとの乗り換えの利便性が向上するなど
賑わい創出と都心同士(紙屋町・八丁堀地区)のアクセス性向上に大きく貢献する存在になります。
2025年春の開業を目指します。
駅ビルに関して話題が目白押しなのでご紹介していきます。
目次
国土交通省が広島電鉄の軌道事業に特許状
国土交通大臣は、11月24日付で広島電鉄の駅前大橋線の軌道事業に関する申請を認め、特許状を交付しました。
整備による時間短縮の効果や事業の健全性が認められた形です。軌道事業は国土交通大臣の特許がないと行うことができないので、
駅前大橋線の整備に、国からもGOが出た形です。
国土交通大臣の特許状交付の前に、広島市の都市計画審議会において
11月22日にこの事業が可決されています。
【中国新聞】:JR広島駅南口の再整備 市都計審が計画案可決
広島市が進める南区のJR広島駅南口の再整備で、市都市計画審議会(会長・渡辺一成福山市立大教授)は22日、同駅に乗り入れる広島電鉄の新路線「駅前大橋線」などを盛り込んだ計画の議案を可決した。新たな駅ビルは2025年春の開業を想定する。近く都市計画決定され、南口広場のリニューアルが本格的に動きだす。
(中略)
市がこの日、審議会に出席した委員16人に計画を説明。周辺では回遊性を高めるためにペデストリアンデッキ(歩行者専用橋)を整備する計画もあることから、委員からはマツダスタジアムまでの動線を尋ねる質問があった。市交通対策担当課は、自由通路と同じ2階レベルの高さで駅ビル沿いに専用橋が通り、エキシティ・ヒロシマにつながるとした上で「25年よりも後になるが、できるだけ早く着手したい」と答えた。
市は都市計画決定の手続きを進め、近く県に事業申請する。認可を経て来年度中に工事に着手する。(加納亜弥)
広島駅南口広場の整備イメージ(上記中国新聞HPより。広島市提供)
中国新聞にはこれまで公開されていないイメージ図が掲載されています。
2階の路面電車のりばと地上との関係がよくわかります。
駅ビルに内包された東西方向のペデストリアンデッキはまるで博多駅の「JR博多シティ」のようです。
東側、エキシティ広島に繋がるデッキは、駅ビルが駅前広場に大きくせり出すことから、直線ではなく少しクランクしていますね。
このあたりの雰囲気もJR博多シティから博多バスターミナルへの経路を想起してしまいました(笑)
なお、中国新聞の記事にある通り、ペデストリアンデッキが整備されるのは駅ビルが完成する2025年よりも後になるようです。
駅前広場再整備のこの事業とは別で動くということですね。
Bブロック「ビッグフロント広島」へのデッキはイラストに描かれてもいません。
人々の回遊性あっての賑わい創出、利便性向上ですので、
ここは同時に整備してほしかったですね。。
ここからは現地の状況です。
まさに広島駅からのペデストリアンデッキが繋がる、エキシティ広島の2階デッキレベルです。
エキシティ広島のスターバックス前はこのように将来ペデストリアンデッキをBブロック「ビッグフロント広島」方面に延伸できるような構造になっています。
他の都市なら当然のようにつなげるものだと思うんですけどね。
25年春が間に合わないとしても、間髪入れずに25年度中には整備に着手できるようにしてほしいです。
愛宕踏切に並行する跨線橋から見る、広島駅です。
今後5年で駅ビルが変わり、西側に隣接する広島東郵便局も100mの高層ビルに建て替えられます。半世紀に一度レベルの大変貌です。
コメントでも多数頂いておりますが、手前のフタバ図書が入るビルも今後の開発が大いに期待されます。
現在の所有者はイズミから地場の不動産会社に移り、「広島産業センタービル」という名称になっています。
改札内で建て替えのための準備工事が始まる!
さて、在来線改札内に移動しました。
改札内では以前からお知らせしていたように、駅ビルの解体・新築工事の支障となるホーム屋根を撤去する工事が始まっています。
当初は10月末からとされていましたが、複雑な配線の処理などに時間がかかり12月6日まで延期されました。
この延期による、事業全体へのスケジュールへの影響はないようです。
予告された工事着手の翌日に訪れた、1番のりばの様子です。
床になにかの印が書かれている他、東側(岡山寄り)でフェンスが設置され、
長い工事の第一歩を確認しました!
広島駅で取材をするこの感覚も久しぶりです。
1番のりばで現在の駅ビルと接する部分。
比較的広いこの部分ですが、工事用の仮囲い設置によりまもなく狭くなるようです。
反対の西側(岩国寄り)です。
こちらの変化はあまり見られませんでした。
線路の向こうには、大須賀町に建設中のJR西日本広島支社の新社屋が確認できます。
こちらは9番のりばから。
在来線と新幹線のホームに挟まれたこの場所には、新駅ビルの利用者用の駐車場棟が新築されます。
「駅ビルに駐車場?」と思う方もいるかもしれませんが、集客施設を新設する場合には駐車場の附置義務があり基準を満たす駐車場を設置する必要があります。
【JR西日本】:広島駅ビルの建替え計画
最後に、駅ビルとはあまり関係ないものかもしれませんが、
新幹線高架橋に足場ができていました。
8番のりばから撮影しています。かなり東側です。
高架下2階の商業施設「エキエバル」よりも更に奥にあたるはずです。なんの工事でしょうか。
いよいよ工事に着手した広島駅ビルの建て替え工事。
現在の駅ビル「ASSE」は2020年3月に閉館、解体工事に着手します。
新ビルは2021年春から工事を始め、2025年春の開業予定です。