この4連休に宮島を訪れた方がもしいらっしゃれば、宮島口のターミナルの変化に改めて驚かれたのではないでしょうか。
広島県は廿日市市・広島電鉄と共同で「厳島港宮島口地区港湾整備事業」を進めています。
手狭かつ、JRと宮島松大汽船で分散し不便だった既存のターミナルに代わる新しい共同ターミナルが、2020年2月に供用を開始しました。
新ターミナルには、飲食店やみやげ物店などが入る商業施設「etto(エット)」がオープンしており、「宮島観光のプロローグ・エピローグ」として快適に利用できる場所へと生まれ変わりました。
今回は、その後の周辺の変化の確認と兼ねて、
ライトアップされたターミナルの姿を写しに、日没後に訪れてみました。
目次
広電宮島口駅の移設予定地で建築計画
「厳島港宮島口地区港湾整備事業」の一環として、ターミナルを沖出しして生まれた敷地(旧もみじ本陣(広電ガーデン))に、広電宮島口駅を移設する計画があります。
【広島県】:平成31年1月更新 パンフレット(厳島港港湾整備事業 宮島口地区) (PDFファイル)(29.05MB)
今年5月には、広島電鉄により新しい駅舎のイメージも公開されました。
【広島電鉄】:電車サービス向上計画の実施状況
日が暮れた、宮島口旅客ターミナルです。
木の温かみがここからでも伝わってきます。後ほど詳しくご紹介します。
こちらが、移設される広電宮島口駅の予定地。
かつてもみじ本陣の建物、それを覆う大きな屋根があった場所です。
手前は全面アスファルトになっていますが、ターミナル移行前までJRフェリーのターミナルがありました。
完全に面影がなくなりましたね。
ここで、広島電鉄による2つの建築計画のお知らせを確認しました。
一つは3階建ての事務所、もう一つは5階建ての立体駐車場です。
事務所はよく判別できませんが、立体駐車場についてはイメージ図にも載っていたものですね。
300台収容を予定する駐車場は5階建てになるようです。
北側の車道からスロープを上り、線路を超えてアクセスするようになります。
どちらも2020年10月着工の予定です。
それにしても、設計は大手の日建設計が行うのですね。
線路が将来下を潜る立体駐車場の設計ノウハウというものを持っている所は限られるのでしょうか。
【西広島タイムス】:廿日市市宮島口地区 市営駐車場立体化へ 平成32年完成目指す
【中国新聞】:広電駅移設、乗船スムーズ 立体駐車場も
- 廿日市市
- 普通車200台、観光バス40台を収容する立体駐車場を、平成31年度=2019年度(今年度)着工。
- 2020年春の完成を目指す?(遅れの可能性)
- 立体駐車場には展望スペースを設けるほか、敷地内に地元コミュニティ施設も整備。
- 建設から運営まで民間に委託し貸付借地料を徴収。候補には広島電鉄が挙がる
- 広島電鉄
- もみじ本陣の駐車場として300台を収容する立体駐車場を建設。
- 広電の立体駐車場と宮島口駅移設は東京五輪後(2020年夏以降)から始め、2026年までの完成を目指す。
(再掲)
ちなみに、もみじ本陣の跡地に、こうして「etto」方面に向かうための仮歩行者通路が整備されていました。
ライトアップされる木材の大屋根がダイナミック
ターミナルの中にやってきました。
2月に更新したレポートのナイトバージョンと思って見ていただければと思います。
こちらです。
もう説明の必要はないでしょう!
天井の木材を柔らかな光が照らし、ダイナミックで非常に素晴らしい空間です。
のりば付近。
観光で訪れる人もこれはちょっとした「特別感」を感じていただけるのではないでしょうか。
etto方向。
西側の端から
このあたりから眺める角度が一番好きですね。
完全なビルとせず光や風が適度に入ってくる空間にして正解だと思います。非常に気持ちのいい空間です。
だからこそ、一つだけお願いがあるのですが、
気軽に座れるベンチをもっとこのコンコース内に置いてくれませんかね…。
せっかくettoでレモネードやコーヒーを買っても、ゆっくり座って味わえる場所が少ないんですよね。
なお、それぞれの店舗の軒先には、このように最初からミスト散布の装置が内蔵されています。
先程までの写真がところどころ白く滲んでいるのはこれの影響です。
半屋内にするからには暑さ対策も必須です。
標準でこのような対策をしているのは画期的ですね。
ターミナル施設のひとつ「はつかいち・みやじま情報センター」
ettoの2階入口横に、「はつかいち・みやじま情報センター」が設けられています。
廿日市市が運営する施設です。
【廿日市市】:はつかいち・みやじま情報センター
宮島だけでなく、廿日市の歴史や文化、近隣の観光情報などが紹介されていました。
屏風のように組み合わされた液晶モニターはなかなかインパクトがありました。
センターの中から、桟橋側を見下ろせるテラスのような所に出ることができます。
目の前に共同桟橋の大きな屋根があるので、抜群の景色とまではいきませんが、
宮島の弥山は見る事ができます。今後活用の仕方は色々考えられそうです。
今回のレポートは以上です。
ターミナルは完成ているので、今後はやはり広電の駅移設や駐車場建設が大きな動きとなりますね。
継続して取材は行っていきます。