広島市とJR西日本、広島電鉄の3者は、広島駅南口広場の再整備を進めています。
従来の駅ビル「ASSE」は建て替えのため、2020年3月に閉館しました。
建て替えられる新ビルは地上20階建てで、ホテルや商業施設、シネマコンプレックスを備える複合ビルになる予定です。
また、路面電車が現在の猿猴橋町を経由するルートから駅前大橋線を経由するルートに変更されるとともに、新駅ビルの2階に高架で乗り入れることで、JRとの乗り換えの利便性が向上するなど
賑わい創出と都心同士(紙屋町・八丁堀地区)のアクセス性向上に大きく貢献する存在になります。
2025年春の開業を目指します。
前回の状況です。
駅ビル建て替えの概要はこちらから御覧ください。
動線変更で仮階段が供用開始
ビッグフロント広島付近から。
解体はさらに進んでおり、旧駅ビルはこの中央部分しか残っていません。
4月8日、広島駅南口の歩行者動線が再び変更されました。
地下広場への階段横が通れなくなる代わりに、解体された駅ビル東側部分にアスファルトが敷かれ、仮通路として開放されました。
案内図はこちら。
その仮通路を歩いていきましょう。
自由通路の改札前です。
これまでの大階段の脇に、新たに開放された仮階段が顔をのぞかせます。
ここはかつて、旧駅ビル「ASSE」の3階に繋がっていた連絡通路の階段があった場所です。
このような形で再活用されるとは…。
新駅ビル完成後は、新駅ビルに取り込まれて線路上空の店舗として一体化されるので、
これはこれで貴重な状態と言えるでしょう。
先程の変更の案内図を再度ご覧いただけるとわかるかと思いますが、
この仮階段の横に仮エスカレーターも供用される事となっています。おそらく仮階段横の扉の向こうに準備されていると思います。
4月8日から閉鎖となっている大階段の左側も、5月15日から再度開放され、
今度はエスカレーターを含む右半分が大胆にも閉鎖されることになります。
最終的にはこうなります。
仮階段を降りてみました。
この左側の壁の向こうにエスカレーターがあるはず。
南口広場を振り返ります。
凄いことになってますね…。
認知されていないためか、人通りは疎らでした。
5月15日に再変更された後は、ここが路面電車やバスに乗るためのメイン動線となることから、
幅員にもかなり余裕があります。
仮囲いの透過パネルから、解体中の生々しい旧駅ビルが確認できます。
南口広場です。
旧駅ビルがあった頃の通路とほぼ同じ位置が再び通路化されたイメージです。
その頃はタクシー乗り場があった場所ですが、遠い昔に感じます。
路面電車のりばの方に向かいます。
解体中の駅ビルもそうですが、こうして新しい場所が開放されると、そこから見える景色がすべて新鮮に写ります。
今回開放された仮通路が、既存通路と合流する部分です。
路面電車のりばの背後側に当たります。
地下階段周りが閉鎖区画となったことで、比治山線のりば付近がかなり狭くなりましたね。
透明な仮囲いから見る、地下階段周りです。
足元の解体が進んでいますね。
ついこの前までこのあたりを歩けていたというのに。
地下広場のガラスの上屋も遠くないうちに撤去されると思われます。
その他、旧駅ビル解体の様子を。
どの角度からも、広島駅の”橋上駅舎”が見えます。駅の顔だった駅ビルが解体され、
これまで外観を見ることができなかった橋上駅舎(2015年完成)がこんなにも見えるようになりました。
今しか見られません。
自由通路の『西側』が閉鎖 何が始まる??
自由通路に戻ってきました。1階とを繋ぐ大階段です。
向かって右側、自由通路の「西側」にあたる部分で、
これまで橋上駅舎の階段や通路が見えていた部分が仮囲いで閉鎖されました。
ホームから見るとこの空間です。
自由通路の真下から、改札内コンコースの方向を見ています。
左手は解体中の駅ビルです。
ここだけでなく、改札横の同じ空間に面する壁面もすべて閉鎖されようとしています。
改札横にあった大型のデジタルサイネージはすでに撤去され、
改札の中と外に中型のものになって再配置されました。移動可能なものです。
改札内コンコース。
やはり同じ空間に面する壁面がすべて閉鎖されました。
2・3番のりばへの階段・エスカレーターは、利用者の安全確保のため大胆に足場と囲いで保護されようとしています。
これには驚きました。
何らかの大規模な工事が行われるような雰囲気です。
これまで知りうる限りでは、自由通路の「東側」(商業施設ekie側)は、駅ビルの新築に伴い
線路上空の建物が増床され、駅ビルと一体化することは判明していました。
この工事が始まりそうな動きを見ると、自由通路の西側でも橋上駅舎を増床し駅ビルと一体化させるのではないかという気がしてきます。
もともと東側と同様に中途半端に空間が残され、将来鉄骨が接続できるような構造になっていたので不思議ではありませんが、公表されていなかっただけに、
この部分も増床が確定となったとすればサプライズです。
エキエの増床計画に含まれていないとなると、JR改札内のスペースの一部となりそうです。
改札内店舗「アントレマルシェ」の第2弾か、待望の待合スペースか・・・。
工事期間中に一時的に仮通路として利用した後に、上記のような駅利用者向けのスペースとなることも考えられます。
今年度最初の歩行者通路変更とともに、知らない計画が存在する可能性に少し気持ちが高ぶった取材でした。
広島駅ビル「ASSE」は2021年6月にはすべて解体が完了、
並行して新駅ビルの建設に着手し、駅前大橋線と合わせ2025年春の開業予定です。