広島市とJR西日本、広島電鉄の3者は、広島駅南口広場の再整備を進めています。
従来の駅ビル「ASSE」は建て替えのため、2020年3月に閉館しました。
建て替えられる新ビルは地上20階建てで、ホテルや商業施設、シネマコンプレックスを備える複合ビルになる予定です。
また、路面電車が現在の猿猴橋町を経由するルートから駅前大橋線を経由するルートに変更されるとともに、新駅ビルの2階に高架で乗り入れることで、JRとの乗り換えの利便性が向上するなど
賑わい創出と都心同士(紙屋町・八丁堀地区)のアクセス性向上に大きく貢献する存在になります。
2025年春の開業を目指します。
前回の状況です。
9月下旬に再び訪れたので、その時の状況をレポートします。当Vol.51は新駅ビル編のみの更新です。
事業の概要
動線変更で自由通路大階段が復活
前回のレポートの後、歩行者通路の変更が実施され、再び動線が変わりました。
今回はなんと、自由通路の南端にある仮階段を休止し、従来からあった大階段に再び変更されるというもの。
(広島市公式ホームページ『広島駅南口広場内の歩行者用通路の変更について(2022年9月10日、9月17日~)』より)
自由通路の改札中央口付近から、見に行ってみましょう。
この光景、何ヶ月ぶりでしょう。
東側に新設した仮階段に移ってから、ここはもう使われることはないものと思っていましたが、この通り復活して再び多くの人が歩く空間になりました。
ただし、完成時にはこの部分は大部分が広電の高架駅方面の通路として大改造されるため、これも新駅ビルの工事に絡む仮運用なのでしょう。
詳しくはこちら。
1階から。
本当に久々にこの光景を見ることができました。
次に閉鎖される時が、いよいよこの階段の最後と思われます。
そのまま南方向に進み、地下イベント広場まで移動しました。
9月22日から、エスカレーターの使用が再開されました。
とは言っても、こちらは閉鎖されていたものが解除されたわけではなく、
数メートルだけスライドした位置に新設されたエスカレーターとなります。
従来のエスカレーターがあった場所は、この地下広場の上を通ることになる路面電車高架橋の基礎の施工が行われています。
ちょうど、この場所から奥の方が城北通りで、城北通りを越えるための橋脚がここに施工されたわけですね。
(広島市『【広島駅南口広場の再整備等】南口広場のレイアウトについて』より)
詳しくはこちら。
仮囲いに覆われて、外からはあまり分からないほどの静かな工事でしたが、すでに地下広場を貫く基礎が存在していると考えると、確実に工事が進んでいることを実感します。
進捗は30%程度 商業施設部分はエールエールとほぼ同じ高さを想定
ビッグフロントひろしまから。
建設現場が9月下旬に公開されたようです。
【Yahooニュース】:新イメージ図も公開 駅に高架で広電 乗り入れ 変わる広島駅 工事現場に潜入 2025年開業へ(RCC中国放送)
”駅ビルの工事の進捗は30%程度。
シネマコンプレックスが入る商業施設東側は、エールエールA館と同じくらいの高さになる。”
とのこと。
シネマコンプレックスが入る東側はまさにこのあたり。
EKI CITY HIROSHIMAの商業棟は高さ40m程度と思われるので、
これよりもだいぶ高くなります。
同じくらいの高さの今ですら、かなりの物量感です。
「ほぼ同じ高さ」となる、エールエールA館に食事がてら立ち寄りました。
エールエールA館は高さ約60m。法律上は高層ビルと呼べる高さです。
まだ見下ろしている状態ですが、最終的に「低層部」である商業施設がほぼ同じ目線になると考えると相当な大きさですね。
南口広場の西側に完成した、「広島JPビルディング」。
新駅ビル、エールエールA館、広島JPビルディングの位置関係が分かる構図。
新幹線屋上からです。
以前までとは比べ物にならないほど密度感が増しています。
在来線橋上駅舎と直結する部分も完成時の姿が想像できるようになってきました。
ホーム上から見上げるとこのような状況。
新駅ビル東側。
表側からは分かりませんでしたが、東側(向かって左側)、フタバ図書の裏側にかけても建物の躯体が構築されています。
路面電車駅前大橋線が乗り入れる中央部。
鉄骨建方はまだですが、その分、奥に延びる駅前通りが良く見通せます。
駅前大橋は、地上から盛土、高架に遷移する区間となるため、従来の床版が撤去されています。
駅ビル西側。
地上部分の構築はこれからです。
ここには地上20階のホテル部分が姿を現すことになるので、ビルの密度は東側よりも更に増すことになりますね。
延約13万平方メートル。路面電車「駅前大橋線」のターミナルと一体となった新広島駅ビルは2025年春の開業予定です。