今年の6月28日、JRの神戸線・宝塚線・東西線が交わる尼崎駅で新しい橋上の乗換通路が供用を開始しました。
当ブログではこれまで同じJR西日本の広島駅改良工事を取材していますが、
施工時期が非常に近く乗り換えの拠点となる駅なので、今日は他のブログによる尼崎駅の様子を紹介して、新しい広島駅の姿を想像してみようと思います。
まずはいつもチェックしているこちらのブログを。
【Re-urbanization -大阪再都市化-】:JR神戸線-尼崎駅改良工事 14.07
ネットサーフィンをしているとこのような記事も見つけました。
【関西のJRへようこそ!】
:JR尼崎駅の 「のりかえ専用通路」 が使用開始!!!【ホーム編】
:JR尼崎駅の 「のりかえ専用通路」 が使用開始!!!【通路編】
工事は来年春の完了予定で、暫定供用を開始した乗換通路のほか自由通路の拡幅やエキナカの商業施設の設置などが行われるそうです。
まだ部分開業の状態で暫定的な部分も多いですが、橋上の鉄骨の梁や柱、エスカレーター等の設備は広島駅に整備されている新しいコンコースとそっくりに見えます。
緑色の縁のステップや階段の手すりは全く同じですね。
橋上施設を支える柱に施された化粧パネルも広島駅で採用されるのでしょうか。
乗り換え通路上では壁や天井は白を基調とし、サイン類は黒字に白という最近のJR西日本ではよくある配色になっています。
完成予想図を見る限り広島駅も基本的にはこれと同じような雰囲気になるのではないでしょうか。
ラインカラーも目を引きます。
尼崎駅に乗り入れる列車では、JR京都線・JR神戸線の青、JR東西線のピンク、JR宝塚線の黄色、というように関西JRのアーバンネットワーク内でラインカラーが決められています。
JR西日本は近畿エリアと広島エリアに路線記号を導入することを明らかにしました。
今年秋のコンコース暫定供用開始時点から採用するかどうかは分かりませんが、
完成時には間違いなくのりば案内のサインにラインカラー及び路線記号が添えられることでしょう。
近畿エリアでは大阪駅や新大阪駅のコンコース改良など、気になるJR西日本のプロジェクトが多々あります。
この夏に関西に小旅行でもしてこようかと現在画策中です。
もう一つ、改良される広島駅の妄想材料を。
【広島市】:平成23年度第2回広島市公共建築デザイン検討会 会議要旨(PDF, 420KB)
2012年3月9日に開かれた、広島市公共建築デザイン検討会の議事録にです。
まだ現在の工事が始まる前の会議ですが、南北自由通に関する興味深い内容が議論されています。
ここから掴める自由通路の概要をまとめてみます。
○コンセプト 『活力とにぎわい、広島ならではのおもてなしを創出する空間』
延長は180m、幅は15mの自由通路の天井は”広島らしい空間構成や採光・換気といった機能面に配慮した”という「折り」を演出。
(東側が大きく開いた谷折りのイメージ)
天井の「折り」の天井高は最も低い所で5.4m、最も高い所(東側)で8m。
東側の窓により、夜間のみLED照明を使用。自然換気。
清潔感を醸し出す白を基調とした上品な配色。
線路上空部分以外の自由通路はビルの柱が等間隔に立っていないことから、天井にスリットができたように照明を45度傾けて配置。
最近の人工地盤を用いる自由通路の中でも、「いいものを造ったな」と言われることを目標に。
すでに分かっていることもありますが改めてまとめてみました。
なおこの会議は建設が始まる前に開かれたものであり、現在建設中である施設はこれらを反映させたものになっているはずである、ということは断っておきます。
実際、もともと風通しの良い広島駅周辺では自然換気と相殺されるのではないか、という点など空調や排熱、配色の面で指摘が入っているようです。
天井の高さは私も初めて知りました。ちなみに岡山駅の自由通路の天井高は5.6mだそうです。
ほぼ同じかそれ以上の高さを持ち、5m広い15mの幅を持つ広島駅の自由通路はかなり開放的な空間になると想像できます。
同じくハイサイドに窓がある岡山駅ですが、改めて見てみるとダウンライト式の照明は昼間でも使用しているようですね。
広島駅は昼間照明がいらないようになるとのことですが、駅は来訪者が一番最初に目にする玄関口ですからとにかく明るい空間にしていただけるといいと思います。
線路上空部分以外の自由通路の天井は、斜めのスリット状の照明になるようです。
「天井」、「スリット」の2つで思いついたのはこちらでした。
【Re-urbanization -大阪再都市化-】:JR新大阪駅コンコース改良工事 14.05
現在広島駅で続けられている工事は、自由通路より西側にできる新しいJRの乗換通路になります。
上の自由通路のイメージ図で示すと、すぐ手前左側にできる中央改札口から向こう側が今年秋の使用開始を目指して建設中です。
実は今週月曜日に広島駅を使った時に少し変化があったので、最後に紹介しておきます。
スマホで撮影したもので画質が悪いですがお許しを。
現在の乗換通路(跨線橋)から中央改札口付近を撮ったものです。
撮影している現在の跨線橋を架け替える形で、南北自由通路が建設されます。
これまで本体を覆っていたグレーのシートが撤去され外観が見えるようになってきました。
同じ部分を7番のりば上空付近から。
自由通路から続く改札付近やコンコース部分の天井がひときわ高いことがよく分かります。
鉄骨の端がこちらを向いていますが、最終的には撮影している跨線橋を越えホーム東側までを覆う大きな人工地盤の広島駅となります。
こちら側の外壁は仮の鋼板で蓋がされました。
天井が低い部分はホームへ降りるエスカレーターや橋上の店舗になる予定です。
エスカレーターの頭上に設けられる天窓もはっきりと確認できるようになりました。
いよいよ世代交代かと感じさせられますね。
また詳しくは今月中に訪れた時にレポートしたいと思います。
ちなみにこの日は夕方のラッシュの直前に集中豪雨があり、
横川~岩国間で徐行運転をしていたため大きくダイヤが乱れていました。
下り岩国方面となる1番のりばは電車を待つ人と改札を出る人でごった返し、これまであまり経験したことのない大変な状況でした。。
自由通路が整備されればメインの改札口が2階の一箇所にまとめられます。
利用者の快適性、安全性の面からも整備が待たれますね。
広島駅改良工事の今後のスケジュールは、
2014年秋に乗り換えコンコース機能を現在の跨線橋から新しい方へ移管。
その後、現在の跨線橋の撤去と自由通路・橋上店舗(自由通路東側の人工地盤)の建設を開始。
2017年度に自由通路の供用開始。
2018年度に橋上店舗の開業。
このようになります。
【URBAN HIROSHIMA 街づくりデータベース】:広島橋上駅新築他工事 (南北自由通路・店舗増設)