旧市民球場跡地活用、市長の方針が決まる

3月19日に、球場跡地は「緑地」と「文化芸術」機能を組み合わせた活用策となりそうだ、という記事を紹介しましたが、
昨日27日、松井広島市長は
「緑地」、「文化芸術」に加え「水辺」エリアを加えた活用方針を発表しました。
【中国新聞】:市民球場跡地活用方針を発表 (以下転載)

 広島市の松井一実市長は27日、旧市民球場跡地(中区)の活用について、市の跡地委員会が示した三つの機能のうち「文化芸術」と「緑地広場」に、「水辺」を加えた3エリアで構成する方針を発表した。2013年度に基本計画を作り、14年度の事業着手を目指す。サッカースタジアムを柱とする「スポーツ複合型」は外した。スタジアム建設をめぐる官民の協議会で跡地が候補地になれば、建設の是非を再考する。
 
 跡地のうち北側と東側の文化芸術エリアは、市青少年センターの移転を念頭に生涯学習や教育機能を持つ施設整備を検討する。中央には緑地広場を確保。屋根も設ける。財政状況が厳しい中、イベントなどでにぎわい作りの実績を積み、文化芸術施設の整備に成果を反映させる。
 
 本川河岸に近い西側に「水の都ひろしま」を象徴する水辺エリアを設定。飲食店や観光バス駐車場も跡地内に設ける。広島商工会議所ビルの移転も呼び掛ける構えだ。
 
 市は基本計画の作成経費を盛り込んだ補正予算案を6月の市議会定例会に提案。可決されれば施設内容や整備行程、事業費を詰め、絵図面を作る。
 
 サッカー専用スタジアムをめぐっては4月以降に広島県、広島商工会議所などと協議会を設け候補地や規模を検討する。
 
 松井市長は記者会見でスタジアムに関する市の考えを「白紙」と強調。「(市と協議会で)同時並行的に案を考え、具体的なイメージが固まったら比較したい」と、跡地が候補地になれば再び判断する考えを示した。

広島市ホームページでは概要をまとめた活用方策をダウンロードして見ることができるようになっています。
【広島市】:旧市民球場跡地の活用方策について
PDFファイルダウンロード:旧市民球場跡地の活用方策について(4.9MB)
 
kyujou-kinou.jpg
(広島市『旧市民球場跡地の活用方策について』PDFより)
 
率直な感想から書いてみると、肝心なところが先延ばしにされてしまっている(もしくは曖昧に)
 
文化芸術機能は北側のエリアに移転を念頭に置く青少年センター以外は、
>緑地広場エリアにおけるイベントなどのソフト開発を先行させ、その実績を踏まえた上で、段階的に整備を行う。(PDF資料4枚目)
とのことで、このままだと跡地のほとんどのエリアが緑地という状態で、一旦の完成ということになりそうです。
私は前から書いているようにその”イベント”というのは現在の中央公園でやればいいのではないか?恒常的にイベントを開催できる根拠(費用面)は?という疑問を持ち続けていましたが、結局納得いく答えを得ることはできませんでした。。
劇場をはじめ、”ハコ”がないとできないコンテンツもあるわけです。
 
しかし厳しい広島市の財政状況も一応理解しているつもりです。
サッカースタジアムもどうなるか分からない状況の中、
この実質先延ばしの判断を目くじら立てて批判は出来ないのではないかと思います。
 
 
そしてもう一つ取り上げたいのが、西側の水辺エリアの登場ですね。
検討委員会でももちろん議論はされていましたが、今回”機能”の一つとしての位置づけで松井市長が盛り込んだのは少し驚きでした。
「水の都ひろしま」の象徴として考え自体には賛成ですが、
現在川沿いにはこども文化科学館、青少年センター、商工会議所などの施設が並んでおり、実現にはこれらの移転は避けて通れません。
先程も書いた通り、青少年センターは「文化芸術エリア」の北側の方への移転を念頭に置いているようですが、
その他は現時点では何も決まってないようです。
こども文化科学館に至ってはPDF資料6枚目の参考-2(中央公園及び周辺地域を含めた空間づくりのイメージ)の中で、
“区域内にこだわらず、機能移転を検討する。”
と書かれています。
(ファミリープールも同様の記載)
コメントでJUNさんに「年間来場者数はサンフレのビッグアーチと同等ですよ」と教わったので、調べてみると
平成23年度実績で44万5000人の来場があったとのこと。
これを郊外に移転させてしまうなんてことは、間違ってもしてはなりませんね。
青少年センターと同じように、北側の文化施設への統合がなされればいいと思います。
 
 
先ほどの6枚目の参考-2では旧球場跡地を始めとし、中央公園とその周辺も含めた今後の展望が記載されています。
青少年センターは具体的に球場跡地の北側に移転を念頭に置かれているようですし、
これからは中央公園全体での議論へと昇華していきそうですね。というか、中央公園「スポーツゾーン(自由広場)」へのサッカースタジアムを望む私にとっては昇華させるべきだと思います。
そうすると形になるまでの道のりはまだ長いかもしれませんね。
(むしろ球場跡地しか視野に入っていなかったからここまで時間がかかったし市民が混乱したとも言える?)
 
中央公園内に点在する施設で老朽化した物も多いですから建て替えを兼ねて、一つの建物に集約するというのが少し現実的になってきたかと思います。
 
何より来年度2013年度、県や経済界などでサッカースタジアム建設の協議会が設置され本格議論が始まります。
どういう結果になろうと球場跡地活用方策において非常に重要なポイントになります。
4月以降どのように進展するのか、注目して見て行きたいです。
 
 
追伸、PDF6枚目の「市営基町住宅(中層)」についての今後の検討の中で、
“市営基町住宅(中層)を機能廃止する場合には、県営基町住宅を含めて公園区域に編入し、既存の芝生広場や基町環境護岸と一体的な芝生広場として再整備する。”
と書かれていて驚きました。
いったい、この自治体はどれだけ中心部に広大な公園を増やしたいのだろうか…。


 

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