県内第2の都市・福山市 福山駅周辺を初探訪 2018.05

福山市は、広島県の東部・備後地域の中核都市で、
人口は約46万人の県内第2の都市にあたります。

その福山市の玄関口である「福山駅」では近年、集客力向上のための駅リニューアルや駅周辺地区の再開発が行われ、街の印象は以前に比べ大きく変わりつつあります。
先日、取材という目的では始めて駅周辺を探索してきたのでレポートします。

福山駅南口。

福山駅の一日の乗降客数は約4万人。広島県内では広島駅に次ぐ2番目の数を誇ります。
駅は完全な高架駅となっており、3階に山陽新幹線、2階に在来線のホームが設けられた3層構造が非常に特徴的です。
ちなみに、広島市と府中町、海田町で計画される「広島市東部地区連続立体交差事業」では、海田市駅が2階に山陽線、3階に呉線が乗り入れる同様な構造になる計画に再び固まりました。

この駅前広場内は、北口の「福山城」の外堀だった場所にあたり、駅前広場整備の際に多くの遺構が発掘されました。
広場の地下に整備された自家用車の送迎場内には、発掘された石垣の一部が壁面に保存されています。

 

駅舎の高架橋に隣接した駅前広場内には、2014年3月に商業施設「サンステーションテラス福山」が増築オープンしました。

 

「サンステーションテラス」はJR西日本グループの山陽SC開発が展開する商業施設で、
主に岡山支社内のエキナカ商業施設を運営しています。

黒を貴重とした2階建ての増築部分。駅舎・高架とは独立しているので駅ビルと言ってもいいかもしれません。

 

 

エントランス付近。

 

 

自由通路の出入口付近はこのように吹き抜けになっており、両側に店舗が連なる構造です。
撮影している東側の2階にはカフェなどが入っています。

 

自由通路内です。

自由通路西側は在来線改札、その正面にあたる東側一帯が
元々の「サンステーションテラス」売り場。

みやげ物や飲食店が揃っています。

 

さて、南口の駅前に目を向けてみましょう。

 

2011年、地下の自家用車送迎場とともに、バスターミナルやタクシープールもリニューアルされました。
バスロケーションシステムも導入されています。
東側にはバス案内所を兼ねた待合室が。やはり駅前広場に最低でもこのくらいのものがあったほうがありがたいですよね。
何故広島駅北口に設けなかったのか…。

 

南口で目を引くのは、駅前広場のすぐ近くで存在感を放つ、「ines FUKUYAMA(アイネスフクヤマ)」です。

駅前にあった繊維・縫製業界向けのビル「福山繊維ビル」の老朽化に伴う市街地再開発事業で、
2011年3月に竣工した複合施設です。

ines FUKUYAMA

という名称は、逆から読めば「Seni(センイ)」となり、かつての歴史を受け継ぐ意味が込められているのは有名ですよね。

 

再開発ビルは主に2棟構成。

・マンション棟 「フローレンス福山ローズタワー」

高さ101.65m、地上28階・塔屋1階・地下1階建て
総戸数140戸のタワーマンションです。低層階には商業施設やクリニックも入ります。

28階建ての建物は当然、福山最高層です。
100m超えなのでなかなか見応えがあります。

 

福山駅に近い、北側です。
・ホテル棟

 

 

核テナントとして「リッチモンドホテル福山駅前」が入居しています。
低層部にはこのようにアパレル店が出店していたり、地下1階には「フレスタおかず工房」も入っています。

都市の商業を牽引するような集客施設の立ち位置ではないので、広く利用されて賑わっているような雰囲気ではありません。
再開発には地元商店街などと紆余曲折あったようですが、大型マンションでまずは中心部に人を集め、
衰退の一途を止めることができたのは良かったと思わなければならないと思います。広島駅前にも言えることです。
これからの活用次第です。

 

その福山の将来の賑わいを左右するかもしれないのが、「アイネスフクヤマ」と福山駅に挟まれた、
駅前広場が面する「キャスパ」跡です。

【日本経済新聞】:福山駅前 大型ビル開発 キャスパ跡 あなぶきなど2社

トモテツグループが所有する商業施設でしたが、客離れを受け6年以上閉鎖された状態が続いています。

今年4月、トモテツグループとあなぶきグループの2社が合同で、再開発に乗り出すことが分かりました。
今年度中にも解体に向けた調査を始める意向で、”「働く・住む・にぎわいが一体となった駅前」のコンセプトを重視。オフィスやマンション、育児や医療・介護の施設、商業施設を中心に検討”
と見られています。

車社会が顕著になり賑わいの郊外流出は地方都市共通の課題ですが、
福山駅を中心として回遊性を保ち、点の再開発が徐々に面に広げていく。この動きが強まれば、駅前再生も無理な話ではないと思います。

 

そう思わせる一つの要因が福山駅北口の福山城近辺での動き。

 

 

 

福山城は、福山駅北口の直ぐ側に位置し、新幹線からもよく見ることができるほどです。

福山市は駅周辺の賑わい創出を目指し、2022年に築城400年を迎える福山城と連動した企画を打ち出しています。
福山駅と福山城の間の市道を歩行者天国にする施策は、昨年に引き続き、今年も行われるようです。

【福山市】:福山城南側道路の歩行者専用化社会実験

 

「バラまつり」は言わずもがな有名ですが、こうした独特な企画で都心の賑わいを生み出そうという姿勢は、応援したいものですね。

 

最後は、福山市役所の様子を。

 

 

31 Comments
古い順
新しい順 高評価順
Inline Feedbacks
View all comments