本通りに新たな再開発浮上!野村不動産をパートナーに2棟の高層ビル計画

更新頻度が落ちており申し訳ございません。
来月はじめ頃まではやはりバタバタしておりますが、ネタが古くならないうちに時間を見つけて更新を重ねていきますので、よろしくお願いいたします。

さて、まずはこの話題からです。

広島市中区本通地区で、新たな再開発計画があることが明らかになりました。
対象地区は鯉城通りの「本通交差点」東側で本通り商店街を中心とした一帯です。

今年3月に設立した地権者らの再開発準備組合は、本通りを挟んで南北に2棟の高層ビルを建設することとし、
高層階をオフィスやホテル、マンションとし、
低層部はデッキで商店街の南北を繋ぎ、商業施設や広場機能をもたせるとのこと。

 

本通り商店街では、紙屋町1丁目地区で商業施設の「サンモール」を中心とした一帯でも再開発構想が明らかにされておりますが、
今回公表されたのは、全く別のプロジェクト!

事業パートナーには全国で実績のある野村不動産が選ばれたことも明らかになりました。

概要を詳しく整理します。

 

広島のランドマークを目指す本通り再開発の概要

【野村不動産】:広島市のランドマークとなる大規模複合再開発事業 『本通3丁目地区市街地再開発準備組合』設立 ~ 事業協力者を野村不動産(株)に決定 ~(本通3丁目地区市街地再開発準備組合・野村不動産)(PDF形式, 約2MB)

 

報道記事です。

【中国新聞】:広島本通りに高層ビル計画 地権者組合が南北2棟 中心商業地の求心力アップ

【中国新聞】:野村不動産、広島本通り高層ビル計画に参画 組合が概要、ホテル・マンション入居

【中国新聞】:広島市中心部で動きだす再開発 特定地域指定が後押し 迫られる耐震対策

【RCC】:高層ビル建設を検討 本通商店街 再開発計画の準備組合を設立 広島

 

【本通3丁目地区市街地再開発】

  • 対象地は本通交差点東側一帯で、本通り商店街を挟んだ東西約140m、南北約100mの区域。(下図参照)
  • 区域内には昨年建て替えられた「広島アンデルセン」も含まれるが、開発は行わず現在の新しい店舗をそのまま活用する。
  • 商店街を挟み南北に計2棟の高層ビルを建設。北側はオフィス、南側はマンションを計画するほか、ホテルも構想。
  • ビルの低層部は商業施設や映画館、広場機能を設けることとし、南北のビルを繋ぐデッキの建設も検討。
  • 地権者で2021年3月に「本通3丁目地区市街地再開発準備組合」を設立。現時点では賛成と反対がほぼ同数。
  • 事業協力者に野村不動産を特定し、今後活用できる補助金や資金計画などを探る。
  • スケジュールはまだ未定。建物の完成は最短でも10年後を見込む。

 

 

本通交差点。

画像右側が再開発対象地区。北側にひろぎんホールディングスの新本社ビルが今年2月に竣工した。

 

南東側、広島アンデルセン付近から見る再開発対象地。

右下の建物が広島アンデルセン。再開発工事には含まれない。

 

 

四国のあの街を想起させる商店街の一体開発

こんな計画が水面下で進められていたとは、非常に驚きました。
本通りでの再開発といえば、本通交差点「西側」の紙屋町1丁目のサンモール周辺一帯再開発構想です。

紙屋町再開発<サンモール>続報 大和ハウス・三菱地所ら事業協力者に

かれこれ5年になろうとしていますが、間にコロナ禍もあり現在表立った動きは見られていません。

今回明らかになったのは本通交差点「東側」の本通3丁目一帯です。

(余談ですが「本通り○丁目」と聞いて違和感を覚えたのは私だけではないはず…。行政上は「中区本通り」までで後ろは番地になります。○丁目は商店街が西から東まで便宜的に区分けして、そのように呼んでいるようですね。)

 

繁華街のど真ん中にありながら、紙屋町1丁目再開発(サンモール周辺)と同様に構想のタワーマンションも計画に見込んでいるのことです。
”また繁華街にタワマンか…”と思ってしまいますし、ツイッターでも同様のコメントを頂いておりました。


広島駅南口Bブロック(中)、Cブロック(左)再開発

 

これはもはや仕方ないですね。
資金計画を建てる上で、確実に買い手がつく保留床の用途が、今の広島ではマンションと言うことです。
マンションを購入してくれるデベロッパー、オーナーのおかげで、
本通りの集客力を維持向上させられる可能性があると考える方が正確かもしれません。
かつての金座街再開発ではパルコ、大手町4丁目再開発ではNTTが入り、それぞれ商業施設メイン、オフィスメインの施設となりました。
現在の市場の判断はその時とは違う(商業・オフィスメインではペイできない)んですよね。
都市の実力、求心力の話に繋がっていきますが、それはまた機会を改めて・・・。

 

話を戻して、商店街が周辺施設と一体になったまちづくりを行った事例として真っ先に思い浮かぶのは、四国は香川県高松市のこちらでしょう。

高松丸亀町商店街 2019.04 新旧が融合した最先端の商店街!

 

一昨年初めて訪れて、感心しっぱなしでした。

 

統一されたコンセプトで作られたファサードは、商店街でありながらまるでUSJのようなテーマパークのような雰囲気も感じます。
このときは行くことができなかった、最南端G街区「丸亀町グリーン」にはアーケードを挟み大きな交流広場も設けています。
私はかねてから、紙屋町地区にも八丁堀のアリスガーデンのような商店街に繋がる交流空間が必要だと書いていましたので、高松丸亀のような開発ができればまさに理想的なのではないかと思います。

【公式】:高松丸亀町商店街G街区

こういったまちづくりを進めることこそ、都心(カミハチ)に行く意義、ステータスとなり、
賑わい創出ひいては都市としての求心力の向上に繋がっていくのではないでしょうか。

 

事業パートナーには、巨大プロジェクトとしては西風新都のA-City以来の関わりとなる野村不動産が選ばれました。
内部の調整、計画立案など、容易い道のりではないと思いますが、
これまでのノウハウを活かした素晴らしい計画になることを期待したいです。

 

 

追伸、このブログでも一度取り上げた「本通交番」の建て替えは、
再開発計画の浮上により一度白紙となったそうです。

【中国新聞】:本通交番、建て替え白紙 再開発計画受け広島県、工事契約解除

新型コロナウイルスの新規感染者数はひとまず落ち着きを見せるようになりました。 緊急事態宣言の解除、及び休日を含む外出自粛要請の解除に伴い、 当ブログでは三密を避け、「新しい生活

 

【広島県】:広島中央警察署本通交番庁舎新築工事に伴う基本設計及び実施設計委託に係る公募型建築プロポーザルの2次審査結果及び講評について

(上記HP内、特定者(南俊允建築設計事務所)技術提案書より)

 

建築プロポーザルまで行っていたんですけどね。。
連絡体制に不安を覚えます。。

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