広島市が、JR西日本とUR都市機構と共同で進めてきたJR広島駅の大規模改良工事は、
2017年10月29日に無事完成記念式が執り行われ、ほぼすべての施設が供用開始となりました。
①南北自由通路の整備、②橋上駅舎・線路上空店舗の建設、③駅北口ペデストリアンデッキの整備、④北口広場の再整備etc.
これらを一気に整備する”50年に一度”と言っても過言ではない大型プロジェクトでした。
(↑北口追跡レポートの実質Vol.55)
このブログでも建設の状況を着工時から取り上げてきました。
完成レポートでは、完成記念式典や駅舎内の状況は詳しく紹介していたのですが、
一部、完成した最終的な状態をまだ伝えきれていなかったので、
改めて「新時代の広島駅」を撮影してきました。
当記事の<北口広場編>と<自由通路編>に分けて紹介する、完成ギャラリーです。
広場中央の車道側にあるモニュメントのご紹介。
拾いまし、UR都市機構、JR西日本の3者により整備されたことが刻まれています。
歴史に残る時代に立ち会えた事はとても幸運でした。
ちなみに正式名称はやはり「北口」ではなく「新幹線口」と呼称するようですね。
よく見ると銘板の外枠がペデストリアンデッキの中央広場の上屋で描かれています。
そのペデストリアンデッキ中央部の広場。
南北自由通路との接続部分でもあります。
東西と中央の3本に分かれるペデストリアンデッキ。
中央の終点側にはエスカレーターも設けられました。
ここから見える景色も変わりました。
こちらは西側デッキから北口広場全体を。
”景色が変わった”ことでいうと、このアングルが一番だと個人的には思っています。
西側は、整備前のマイカー・バスエリアから、タクシー・バスエリアに再整備されました。
広場内中央部には、都市間高速バスのチケット販売と案内を行う「交通案内所」が設けられました。
ここでバスを待つようになるわけですが、上屋が最小限しか設けられておらず待合所のようなスペースもないことはマイナスです。
特に駅舎から一番離れた歩道上に設けられた、広島空港リムジンバスの利用者は気の毒です。
二葉の里5街区の「(仮称)広島二葉の里プロジェクト」(大和ハウス工業)に設けられるバスターミナルとの機能分担等に期待したいですね。
交通案内所横のモニュメント「朝」。
工事前とほぼ同じ場所に戻ってきましたが、その景色は全く違うものになっているでしょうね。
続いて東側のマイカースペース。
40台収容の駐車場と、降車スペースが整備されました。
列車を降りた人を送迎する待機スペースは無く、少しでも待つなら駐車場を利用させる方針となっています。
供用開始から2ヶ月経とうとしていますが、駐車場に入れずにロータリー内の車道や車いす優先スペースで待機する車、
それから降車・荷降ろしに時間がかかり、後続の車両が長い隊列になっている状況を多く目にします。
安全面、バリアフリーの面で今後何らかの対応が必要ではないかと思います。
いっその事、ロータリーに入る全ての車に通行券を取らせ、10分まで無料、
それ以降は駐車場と同じ料金を徴収するようにすればどちらも解決できるのではないでしょうか。
課題はありますが、見違えるように綺麗に生まれ変わりました。
今回紹介したように、
1階レベル:バス・タクシー・マイカーなど、鉄道以外の交通手段に乗り換え
2階レベル:二葉の里、若草町、光町など「エキキタ地区」への徒歩移動
と動線の分離が実現したことでどちらの立場でもスムーズに利用しやすい広場になったのではないかと思います。
二葉の里には広島テレビの新本社や、イケア(具体的な出店時期は未だ未定ですが…)などが計画・建設されていきます。
新たな人々の交流エリアの”出発点”に相応しい姿になりました。
以上、北口広場のレポートでした。
56回に及んだ北口広場の工事の追跡レポートも今回が最終回です。ありがとうございました。
広島駅全体ではまだ工事は終わりません。引き続きよろしくお願いします。
北口の進化がすごいですね。
わくわくします。
ところで新聞記事転載の結論はやはりNG?
なかなか広島駅に行く機会がないのですが、発展具合が良くわかり助かります。
私も考察のためにこの
記事を転載させていただきます!
広島駅から東の府中地区や牛田・戸坂方面へ移動するのに路線バスが出ていたらと思います。
今では牛田・女学院方面と、もともとあった戸坂東浄方面のみ。
路線バスの”なわばり”があるので非常に難しいことかと思いますが、何かほしいものですね。
やはりヒルトンは支社ビルのところか、ベスト電器跡地が相応しいとあらためて思いました。
遠く東京あたりから、やって来た場合、最寄駅が広島駅で、徒歩圏にホテルなり会議場があると
非常に助かります。将来、撤退のおそれがなく、地元の金銭的な支えの必要がなく、安定して運営
してもらうには、このあたりに建設するべきだと思います。 過去の例をみても、県や市の都合で
決定した時は、たいていうまくいってないですから。
駅の自家用車進入レーンは要らないですね。
どこか手前のビル等に立体駐車場を用意して、
そこからは徒歩にしたらいいと思います。
決して広くない北口広場に自家用車は
はっきり言って邪魔です。
今の自家用車向けスペースは、
身障者のみ入れるようにしたらよいのでは?
厳しい意見を書いてしまいますが、駅前広場を新しく整備するなら当然、人がゆっくり待ち合わせなどができる広場とか、景観の向上などが重視されるのだろうと思っていたら、車道や駐車スペースばかりが目立って味も素っ気もないですね。せめてもう少し樹木などをふやせないのでしょうか。ペデストリアンデッキのテントでできた上屋は見た目が安っぽいし、デザインが周りから浮いていて違和感を感じます。
広島駅や周辺の開発全体にいえるのですが、他の都市よりいいものをつくろうというような意欲が感じられないし、歩行者を重視した街づくりが求められている時代なのに相変わらず自動車優先だとか、実益性とか効率みたいなことばかり考えて計画されていて街の魅力が向上しているとは思えません。こんな感覚で街づくりをしていたら今後も広島の低迷は続いていくんじゃないかと心配になります。
機能と景観の攻防といえば、第二帝政期のパリ大改造の「施主」である皇帝ナポレオン三世と「施工者」であるセーヌ知事オスマンを思い出します。
パリ生まれではあるが亡命生活が長く機能重視で産業社会に適応した街である英国ロンドンでの生活が長かった皇帝と、根っからのパリジャンで景観重視は譲れない(パリ市民は納得しない)とする知事との絶妙のバランスで出来上がったのが現在のパリの街です。
しかも、皇帝自身が自らを、労働者の味方、社会主義者(産業の発展に基づく空想社会主義・サンシ=モン主義)であると言って憚らない、皇帝社会主義という極めて特殊な政権下での都市の再開発事業です。
歩行者と自動車の関係について、しかも広島の個性を出せというなら、現代の資本主義経済社会内での自動車産業の街とはどうあるべきなのかを既成概念にとらわれず、真剣に議論すべき課題だと思います。
資本主義経済原理を理解することなく街づくりを進めるとデフォルトに向かう危険性が高く、それこそが街の崩壊に直結するものだと考えます。
訂正です
サンシ=モン主義 →サン=シモン主義
大変失礼致しました。
10月頃から、広島バスの一部路線が朝のラッシュ時限定で新幹線口構内に乗り入れていますね(朝ラッシュ時のバスセンターゆきのみ)。広電バスの牛田早稲田方面ゆきはだいぶ前から乗り入れていますが、どちらも効果はあるのでしょうか。効果があるようなら、他の路線や他の時間にも乗り入れてほしいですね。シェラトン前のバス停まで歩くと結構距離あるから便利だと思います。
あといまだにバス・タクシーのロータリーの方へご侵入している一般車を目にします。もっと表示を出すなりしてほしいですね。