JR西日本から、広島駅周辺の不動産開発に関する興味深い発表がありました。
コメントでも複数教えていただいております。いつもありがとうございます。
JR西日本は広島駅北口の正面、二葉の里地区に立地する「JR西日本広島支社」を2020年春にも移転させ、
跡地を数年かけてオフィスや商業の複合再開発を行うことが明らかになりました。
現支社ビルのある二葉の里地区は一昨年全面開通したペデストリアンデッキにより、広島駅と直結可能な一等地。
不動産賃貸業を進め、非鉄道事業の収益力を高める狙いです。
なお、移転先は広島駅西側、在来線と新幹線に挟まれた大須賀町の自社敷地であることも分かりました。
【日本経済新聞】:JR西、広島駅北口を再開発 支社移転し建物解体
JR西日本は広島駅北口の再開発に乗り出す。広島支社(広島市)を現在地から移転し、築65年を経過した建物を解体する。跡地はオフィスビルや商業施設など新たな用途への転換を検討する。広島駅前では北口、南口ともに再開発が進んでいる。中四国地方を代表する「陸の玄関口」として都市の機能を高める。
再開発の対象はJR広島駅北口前にある広島支社の敷地約1万8800平方メートル。新幹線ホームがある駅北口と屋根付きのペデストリアンデッキ(空中歩道)で結ぶ一等地だ。敷地の中には現在、複数の建物と鉄塔などの付帯設備があり、全て解体するか、一部を残すか検討している。
広島駅は1日15万人が乗降するJR西日本でも上位の大型駅。出張や通勤で新幹線を毎日のように利用するビジネス客も多い。北口は新幹線乗り場に最も近く、中四国地方の本部を広島に置く大手企業のオフィス需要を満たすとみられる。
(上記日経新聞Webサイトより一部引用)
久々にJR西日本広島支社のビルに関する話題が公になりました。
今朝の日経新聞の記事では、支社ビルを移転し跡地をオフィスビルや商業施設などの新たな用途へ転換させることが書かれています。
非常に期待が持てる記事ではありますが、支社ビルの建て替えについては二葉の里の区画整理が行われている段階でも言及されていました。
今回の日経の記事でも、具体的な時期や内容は明らかにされていないので、
少しもの足りないなと思っていたところ、時間が経つに連れて続報、新情報が明らかになってきました。
【中国新聞アルファ】:JR西、広島支社を20年にも移転
情報を整理します。
- JR西日本広島支社を、現在の二葉の里から西に350mの敷地に新築移転(夕方のローカルニュースで、広島駅西側で在来線と新幹線に挟まれた「大須賀町」の自社所有地であることが判明)
- 2020年春の完成を目指し、今年度中に着工
- 新支社ビルの規模は、地上10階建て、延約1万4,600平方メートル。鉄骨造。
- 20年の完成後、順次引っ越しを行い数年以内に現社屋の解体に着手。
- 広島駅ビル「ASSE」内の車掌事務所も新支社ビルに移転。
- 現在の支社跡地は広島市と連携し、陸の玄関口の賑わい創出に向けた再開発を検討。
新支社ビルの建設予定地。
青が現社屋、赤が新社屋です。
一気に新しい情報が出てきました!
現在の支社を建て替えるとして、自らの社屋を置く場所はいくつか候補地があったことと思います。
再開発ビルの一部に入居 or JR広島病院横の旧鉄道病院跡地 or ホテルグランヴィア西側の中国JRバス社屋一帯など。
JRの選択は意外にも、広島駅から在来線の線路に沿って西に100m程度の土地でした。
現在は新幹線利用者向けの契約駐車場になっています。
同敷地内には数年前、管理棟のようなものを建てています。
地上10階、延1万4,000平米程度となると、60m級のビルでしょうかね。
個人的には再開発ビルに入居か、移転するなら中国JRバス周辺の駐車場ではないかと予想していました。
奥が二葉の里5街区。この右手に支社があります。
中国JRバスは手前の建物、、、だったのですが、なんと3日前の5月14日に南区京橋町に移転していたようです。
【中国ジェイアールバス】:本社移転のお知らせ
これは数時間前にコメントで知りました。
ならなおさら利便性が高く、自社所有のこの土地に建てそうなものですが、あえてパスした事になります。
広島市がまとめた「広島駅周辺地区の歩行者ネットワーク計画」の基本方針(案)には、北口ペデストリアンデッキの延伸が盛り込まれました。
エキキタ西側に伸びる矢印が終端部ではなく、ホテルグランヴィア(中国JRバス旧社屋側)付近から出ていましたよね。
支社ビルの移転決定の記事で、さらにその先の展望まで見えてきた気がします。
JR西日本は4月、中期経営計画を更新しました。
この中で、「広島」は、「大阪」、「三宮」と並ぶ、駅とその周辺開発の3大プロジェクトの一つに位置づけられています。
前回の中期経営計画2017では、広島地区への新型車両227系「レッドウィング」が公表され、今日実現に至っています。
どうしてもその時の衝撃と比べてしまうと、具体性に欠けるのは否めないなと感じていましたが、
水面下では思いっきり本腰を入れて動いていましたね。
【JR西日本】:JR西日本グループ中期経営計画
さて、現在の支社を再開発して誕生するビルはどのようなものになるのでしょう。
日経の記事の一文には、”中四国地方の本部を広島に置く大手企業のオフィス需要を満たすとみられる”と書かれています。
もしそうであるなら、1万平方メートルやそこらではない、かなりの規模を持った複合ビルになることが考えられます。
賑わい創出には集客装置も必要です。
以前の杉木支社長時代には、”オフィスビルに加えて文化施設やエンターテインメント機能を組み合わせて考える”との発言もありました。
単なる商業施設を作っても駅ビルと顧客が分散してあまりいいことは無いでしょうから、
劇場や大型のコンサートホールなど、広島に不足し紙屋町・八丁堀地区ともパイの奪い合いにならないような時間消費型の施設がふさわしいと思います。
超高層のオフィスビルと合わせて、オフィス街の「ちょっと大人」な場所になると面白いですね。
2020年に新支社ビルが大須賀町に完成し、そこから数年以内に解体なので
再開発が完成するのは早くて2025年といったところでしょうか。
まだ先ですね…。考える時間はまだたくさんあります。
広島駅周辺では、駅ビルの建て替え、広電駅前大橋線の整備、
さらには不動産投資に重きを置き始めた日本郵便の「広島東郵便局」など。
広島駅の大変貌はまだまだ止まりません。