広島市とJR西日本、広島電鉄の3者は、広島駅南口広場の再整備を進めています。
整備の核となるJRの新しい駅ビルは地上20階建て、総延床面積は約19万平方メートルで、
ホテルと商業施設の複合ビルになる予定です。
また、路面電車が現在の猿猴橋町を経由するルートから駅前大橋線を経由するルートに変更されるとともに、新駅ビルの2階に高架で乗り入れることで、JRとの乗り換えの利便性が向上するなど
賑わい創出と都心同士(紙屋町・八丁堀地区)のアクセス性向上に大きく貢献する存在になります。
駅ビル内は中四国最大の飲食店街やシネマコンプレックス、コスメやカフェなど、
約200のテナントが集積する商業施設「minamoa(ミナモア)」として、
2025年3月24日に開業する予定です。
前回の状況です。
事業の概要
【広島市】: 広島駅南口広場の再整備等
【中央工区①】路面電車が乗り入れる中央アトリウム空間
全景です。
画像左側から高架橋を通り進入する路面電車。
駅ビル内に乗り入れる「中央アトリウム空間」の足場が外れ、電車が通行する開口部とその内部が少し窺えるようになりました!
大州通りから。
なんとも言えない壮大な光景!
新旧の路面電車広島駅が立体的に交差するのも今しか見られません。
広く口を開けた開口部。
ホーム上に設置される架線柱が確認できました。
吹き抜け空間は、ホーム上に立てたポールから架線を懸架します。
もちろん既製品ではなく特注のポールです。
【中央工区②】アトリウム空間の素材による演出
エールエールA館側から。
アトリウム空間内部の内装工事もかなり進行しているようで、
壁面や天井の素材も確認する事ができます。
壁面は平面の化粧板ではなく、細かいルーバーで波の動きを表現しているように見えます。
奥の自由通路側の天井には、不規則に反射する化粧板によりキラキラとした「水面」を表現しているようですね。
イメージパースで描かれている光景そのものです。
完成イメージ
(JR西日本HP(https://www.westjr.co.jp/railroad/project/project_hiroshima/)より)
【中央工区③】駅ビルに至る橋桁
その駅ビルに至るまでの高架橋も形ができてきています。
大州通り上空から駅ビル内部にかけて、扇状の鋼製橋桁が姿を現しました。
画像奥、旧バスのりばのクレーンで揚重され、スライドして本設の位置に架設されたようです。
なお、完成時にはこの扇形の桁の両側に、歩行者空間となる人工地盤が設けられ、
それらを覆う折り鶴をモチーフとした大屋根が架けられます。
現在の路面電車のりば付近から。
桁下スレスレで、移行前の路面電車が到着する光景はなかなか印象的でした。
そのまま駅ビル内部に入ります。
路面電車の駅部となる箇所のみ構造が異なります。
低くなった場所が路面電車駅部の高架橋です。一面に化粧板を貼る準備が行われています。
完成時は商業ビルの1階となり、全く雰囲気が変わると思われます。
階段を登り、自由通路まで移動しました。
路面電車乗り入れ部を振り返ります。
かつては大きな階段と壁があるのみの風景でしたが、
既に壁は取り払われ、先程外から見ていたアトリウム空間の明かりが漏れるようになりました。
【東棟】1~2階の仕上げなど
最後に、東棟の変化を。
2階に設けられる、マツダスタジアム方面への歩行者通路です。
ビル内に内包された通路はまるで博多駅のようですね。
通路に面して店舗の窓ガラスが確認できます。歩くのが楽しい通路となりそうです。
その真下あたり、現在工事中の1階タクシーのりば予定地です。
先行して供用を開始した西側バスのりば同様、天井の化粧板や排気用のファンなどの設備が確認できました。
延約13万平方メートル。路面電車「駅前大橋線」のターミナルと一体となった新広島駅ビルは2025年春の開業予定です。