広島市とJR西日本、広島電鉄の3者は、広島駅南口広場の再整備を進めています。
従来の駅ビル「ASSE」は建て替えのため、2020年3月に閉館しました。
建て替えられる新ビルは地上20階建てで、ホテルや商業施設、シネマコンプレックスを備える複合ビルになる予定です。
また、路面電車が現在の猿猴橋町を経由するルートから駅前大橋線を経由するルートに変更されるとともに、新駅ビルの2階に高架で乗り入れることで、JRとの乗り換えの利便性が向上するなど
賑わい創出と都心同士(紙屋町・八丁堀地区)のアクセス性向上に大きく貢献する存在になります。
電車の試運転等に時間を要することから、駅ビルの開業から数ヶ月遅れた
2025年夏頃の開業を目指します。
前回の状況です。
事業の概要
【広島市】: 広島駅南口広場の再整備等
駅前大橋線計画図(上記HPより)
駅前大橋線断面図(上記HPより)
【広島電鉄】:広島駅南口広場再整備等について
擁壁の構築完了 駅前大橋上の軌道敷設も始まる
路面電車が2階に乗り入れる駅ビルです。
外から見える大きな変化はありませんが、引き続き内装や電車運行設備の整備が続けられています。
広島電鉄が発行する「工事だより」の12月号によると、駅内部のホーム部の土台には発泡スチロールを材料とする軽量盛土工法(EPS工法)が採用されているとのこと。
地上の盛土だけではなく、橋桁の床面にも使用されるのは珍しいですね。
【広島電鉄/工事だより】:2024年12月号
交差点より南側、稲荷町方面に至る盛土部です。
途切れていた盛土の擁壁が一繋がりになりました。
擁壁工事はほとんど完了したようです。
軽量盛土(EPS工法)はここでも採用されており、擁壁の内側に土ではなく発泡スチロールを敷き詰めています。
既存の地下空間に考慮したものです。
電車の営業線でこの工法が用いられるのは、日本で初めてとのことです。
駅前大橋南詰交差点です。
ここで軌道は地上に降ります。
左手前、橋梁区間で軌道のベースを構築する工事が始まりました。
塗装され案内モニターも付いた(仮称)松川町電停
稲荷町を飛ばして、比治山線内の松川町交差点に移動しました。
稲荷町と既存の比治山下電停の中間に設けられる(仮称)松川町電停です。
広島駅方面に向かう上りホームです。
前回の状況から、柱や上屋はセンターポールと同様に深い緑に塗装されました。
上屋には、次に来る電車を案内するモニターが早くも設置されています。
LEDは将来的なメンテナンスが高く付くので、広電本社前や横川駅、宮島口のようにLCD(液晶ディスプレイ)が採用されると思われます。
電停の手前から。
もともとは軌道も何も無い場所でしたが、ここから電車に乗るイメージがつくまでになりましたね。
交差点の南側、広島港方面の下り電停も同様の状態です。
同じくらいの仕上がりです。
1.5車線のような中途半端なものではなく、きちんと片側1車線が取れた道路の軌道敷は、
意外にも市内では少ないと思います。
電停から見る沿線の建物の距離感が新鮮です。
電停の上屋。
こちらにも発車案内が設置済みです。
照明は上屋に設置されたLEDが屋根裏を照らす間接照明になると思われます。
比治山町交差点の軌道敷設もまもなく
既存の比治山線と接続する比治山町交差点に向けて進みます。
やはり歩道と軌道の距離感が新鮮。
生活に溶け込んで静かに次世代型車両が滑っていく光景を早く目にしたいです。
比治山町交差点です。
石畳は剥がされて、交差点部はアスファルトになっています。
比治山下電停側は、100m程度にわたって石畳が剥がされ、バラストがむき出しになっていました。
まもなく交差点部分に分岐器を含む軌道ブロックを敷設する工事が始まりそうです。
広島電鉄の路面電車「駅前大橋線」は、広島駅南口の新駅ビルが開業する2025年3月24日からは数ヶ月遅れ、
2025年夏頃の開業を予定します。