本当に高層ビルは建てられない??広島駅北『二葉の里』のガイドラインを読む

広島駅北口の二葉の里では、まもなく完成を迎える大和ハウス工業のホテル・オフィスの複合ビル「GRANODE広島(グラノード広島)」広島テレビの新本社ビルの開業など、
今後の賑わい創出やビジネスの拠点としての期待・機運が高まっています。

そんな中、皆様から
「この地区は建物の高さ制限があるから高層建築物は期待できない」というものや「高さ制限撤廃してほしい」といったコメントを多くいただいています。

これについては、かねてから「少し誤解を持たれているのでは?」という違和感を感じておりました。

対象地となる二葉の里地区「5街区」のJR西日本広島支社は、これから再開発に向けて移転先となる新たな社屋の建設に着手しました。
この機会なので、少し整理してみたいと思います。

JR西日本は、広島駅北口にある同社広島支社を移転させ 跡地を数年かけてオフィス・商業などの複合再開発する方針を明らかにしています。 移転先は現在の建物から西に約300m離れた、
広島駅周辺の最後の一等地として区画整理された二葉の里地区”5街区”は、 2014年5月、一般競争入札により大和ハウス工業・広島テレビ放送・エネルギア・コミュニケーションズ(以下エ
広島駅周辺の最後の一等地として区画整理された二葉の里地区”5街区”は、 2014年5月、一般競争入札により大和ハウス工業・広島テレビ放送・エネルギア・コミュニケーションズ(以下エ
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JR西日本広島支社跡地に高層ビルは建てられないのか

結論から述べさせていただくと、全くそのようなことはないし、行政も高度・高密度な利用を推奨している

このような認識です。

「二葉の里5街区には景観・高さ条例がある」といった誤解が生まれたのは、
広島市が定めた「二葉の里地区まちづくり基本計画」や「二葉の里地区まちづくりガイドライン」で示されている、景観軸のことが元になっているかと思います。

【広島市】:二葉の里地区まちづくり基本計画

【UR都市機構】:二葉の里地区まちづくりガイドライン [PDF, 5462KB]


景観形成軸イメージ(上記資料より)

景観を形成する軸として、広島駅北口のペデストリアンデッキ中央付近から、二葉山にむけて「二葉山軸」というものが設定されています。

〔基本方針〕
1 二葉山軸は、JR広島駅新幹線口から広島デルタの青垣山である二葉山へとつながる景観形成軸である。
2 二葉山軸を通して緑豊かな二葉山が視認されることは、当地区の空間形成上極めて重要であるため、JR広島駅から二葉山への眺望と山麓への歩行者空間を確保
する。

そしてこの景観軸に沿っては、通りに面した部分を低層として、
開放感を確保しなければならないと定めています。


二葉山軸周辺イメージ(上記資料より)

これが独り歩きして、二葉山軸上にある”JR西日本広島支社跡地には高層ビルが建てられない”という認識になっているのかなと思います。

 

しかしながら、ガイドライン他をよく読んでみると、そうではないことが分かります。


開発誘導のガイドライン(上記資料より)

あくまでガイドラインなので、1、2街区ではそのとおりになっていない部分もありますが、
基本的な考え方としては、
広島駅に近接した地区ほど建築物の高さを高く、高密度・高空地率の市街地として賑わいを創る
というものです。

 

実際のところ、JR西日本広島支社の敷地は幅も奥行きもかなり広大なもので、
広島駅から完全に二葉山を隠すような巨大な建物を造る方がむしろ難しいです。建ぺい率の問題もあるでしょう。

二葉山軸をかわすことを考慮しても、
敷地の東側(東横イン側)であれば十分高層ビルは建てられます。

実際の建物について、広島市は区画整理完了後、容積率の見直しを含む都市計画の運用方針を定めました。

【広島市】:広島駅新幹線口周辺地区における用途地域及び容積率の見直し等の都市計画に関する運用方針

2.建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限

ア 各部分の高さ
建築物の各部分の高さは、当該部分から、道路等の中心線までの水平距離の5倍を超えないこと。
イ 壁面の位置の制限
建築物の外壁又はこれに代わる柱の面から道路境界線までの距離は、次に掲げる数値以上としなければならない。ただし、次のものについては、この限りでない。
(ア) 「二葉の里土地区画整理事業」の区域内の小規模な宅地
(イ) 公益的施設(ペデストリアンデッキ、公衆便所、巡査派出所など)

建築物の高さについては上に示すとおり、”道路等の中心線までの水平距離の5倍を超えないこと”とあります。
ざっくりした例を示すと、「100mの建物を建てる場合は、道路中心から20m(20m×5=100m)以上は離してくださいね」ということになります。

敷地を所有するのはJR1社単独で、十分な広さを持っていることを考えると、
100m以上の超高層ビルを建てることは制度面では難しいことではないかと思います。

 

もちろん需要と供給の問題もありますが、
JRとしてもこれほどの一等地ですから、中途半端なものではなくしっかりとお金を稼げる開発は考えているはずです。

支社ビル跡地の開発は、まだ移転先のビル建設に着手したばかりです。
悲観しすぎることなく、じっくり待ちましょう。

JR西日本から、広島駅周辺の不動産開発に関する興味深い発表がありました。 コメントでも複数教えていただいております。いつもありがとうございます。 JR西日本は広島駅北口の正
コメントでも頂いておりました。ありがとうございます。   今日の中国新聞で、JR西日本は広島支社ビルや鉄道病院のある二葉の里地区社有地に 新しいオフィスビルの建設や文化施設の誘致な
二葉の里地区 周辺図 (広島駅新幹線口エリアマネジメント推進調整会議PDFより) サッカースタジアムの記事はもう少しお待ちください…。   今朝の中国新聞です。 JR西日本の杉

20 comments

  1. こいほー

    高層ビルに加えて、ナイトマーケットや屋台のような人の賑わいが可視化できるような場所になってほしいですね!

  2. TOM

    これずーっと気になってました!
    すごくスッキリしました。ありがとうございます。
    駅周辺では本当に超高層が期待できるのがこことJPだけなんで、発表を楽しみにしてます!

  3. サンフレッチェ大好き

    基本はオフィスビルとホテルですかね。プラス広島には無い専門学校、ミニFM局、映画館、ライブハウス、能や狂言の舞台に屋上展望台、大浴場ぐらいは欲しいですね。若者から熟年層、観光客や広島市民が使いやすい 複合超高層ビルが出来ればいいですね。

  4. デベロッパー

    理解致しました 汗 高層化も可能なんですね。建物の色彩配慮や公開空き地 緑等の制限はあるということで。あとは需要と供給のバランスを含めて どう再開発を進めていくか、鯉党さんが言うように一等地である敷地…今後が楽しみですね?

  5. うぉっちゃー

    二葉山軸ですか。比べるのもなんですけど、東京駅丸の内側は皇居に向かう道があるので開放感は確かにありますね。あそこに壁のようなビルがあると思うと…。しかし二葉山そのものは、中腹までマンションや住宅があり、それはそれでまあ都会的な景観と言えなくも無いですが、東側の墓地。麓から頂上辺りまでざっくりと山肌が切り取られて、とても残念な景観になってます。北口からは多分見えないのでしょうけども。二葉山そのものには開発規制と言うか、なんらかのガイドラインはあるんですかね。この先、見えない方が良かった、と言うことにならない事を祈ります。

  6. 蟹江

    池袋サンシャインみたいな施設が出来たらいいなぁ

  7. まり

    >100mの建物を建てる場合は、道路中心から20m(20m×5=100m)以上は離してください
    道路中心から敷地までで20mぐらいありそうですけどね
    200m規模なら40m。まあエントランス作るなら大丈夫そうですね。

  8. まさし

    マツダ本社がオフィス等の核テナントに入ればほぼマツダ1社で埋まるのにね。

  9. 広島の未来を明るくする民

    JR広島支社跡地は大規模開発すべきです!
    広島駅周辺を高層ビル群で埋めて、都会的な街をつくろう!!

    私なら跡地に、地上12階地下3階相当の「商業施設棟」をつくり、1階部分は自家用車の送迎車専用乗降スペース、路線バスターミナルを作ります。既存のエキまちループを北口まで延伸させる、その他めいぷるーぷ、広電バス5号線とイオンモールシャトルなども乗り入れます。
    さらに「広島駅高速バスターミナル」も併設して、広島駅新幹線口を起点としている高速バスを集約。既存の北口バスターミナルは人のみ進入可能な多目的広場(博多駅前みたいなイメージ)へ再整備し、イベント開催場所や待ち合わせスポットを目指します。シェラトンホテル前の乗降スペースはタクシー専用プールに戻します。

    商業施設棟の他には、「オフィス・ホテル棟(30階程度)」「文化施設棟(大規模劇場・映画館・ホール・会議室・レストランなど)」を作り、JR広島病院がある土地は病院をそのまま残し、西側の駐車場を立体駐車場にして駅周辺の駐車場環境の飛躍的な整備を行います。

    ま、あくまで妄想ですけどね。
    私の意見に言いたいことはあるでしょうが、誹謗中傷は控えてくださいね。

  10. xy

    丁度南北自由通路北口を始点に現支社ビルに対し直角になるように引いたラインでしょうか、二葉山景観軸に沿って歩行者空間を整備してほしいですね。
    5街区西側には二葉の里通り(仮)が作られるようなので、あちらが二葉の里西通り(仮)こちらは二葉の里東通り(仮)といったところですね。

    高層ビルについてですが、資料からは5街区西側でも高密度利用を目指していたと読み取れ、結果できたのはあのような複合開発でした。東側である現支社も同程度の開発になると考えられ、巨大商業施設や超一流ホテルなどは正直望み薄かと思います。
    なので膨らんだ期待が肩透かしに終わっても、「北口だとやっぱり厳しいか」と受け止められるよう心の準備はしておいたほうがよろしいかと思います。

    • むーばす

      5街区の払い下げについては、中国財務局が広島駅前
      という公共性も加味して、「二段階一般競争入札」を
      初めて導入したことで当時(2013年)話題を呼び
      ました。価格のみならずにその開発手法に照準を合わせ
      て、民間活力の最大限の導入を図ったものでした。

      で結果現在の三棟のビルが建設されるに至ったの
      ですが、当初から5街区東のJ西敷地との一体的な
      土地利用計画の中での、役割分担を図ったもので
      あるとの認識が産官ともになされているのではと思います。

      ということは西側の三棟の中には入らなかった機能で
      広島駅前において、誘致を期待をされている都市機能
      がJ西再開発のキーポイントになってくるのは当然の
      流れではないでしょうか?

      広島経済同友会や広島商工会議所なども、その
      タイミングでこうした提言を出しておりますし、
      J西側もそれに沿った形での計画立案を行って
      いるものとの期待をしております。

      まあそれが広島にこれまでなかった機能という
      くくりで考えると、超高層タワーであったり
      レジャー施設であったりと、ゆめは膨らんで
      くるのは当然ですよね。

      ただ巨大な商業施設は中枢機能に求められて
      いるとは思えませんので、あくまでも
      “MICE都市ヒロシマ”の実現でしょう。
      2015年に観光庁より「グローバルMICE強化都市」
      の一つに認定を受けていることが契機となっていて、
      現在、広島市は遅ればせながら予算を付けてMICE誘致
      にしのぎを削り始めております。

      湾岸エリアで検討を始めた見本市会場とともに、その
      戦略拠点として、この場所がクローズアップされて
      いることは確かなことではないかと思いますね。

  11. むーばす

    旧広鉄局跡地は一体どうなるのでしょうね?
    あれだけの広さをJR西単独で開発するのは
    容易ではないのは、明らかでしょうかね。
    やはりその場合はどこかのディベロッパー
    と組んだりするのでしょうか?

    もともと二葉の里はURが基盤整備を進めて
    いました。大阪駅北口の「うめきた」も
    URが中心に進めている再開発事業です。
    どういう事業者と組んでやっていくのかも、
    ひとつのポイントになるような気がします。

    確かに広島駅北は山が迫り、後背人口も
    南口に比べて限られていますが、ここは
    新幹線駅前の利便性を最大限に引き出す、
    国際色も加えた中枢機能がある複合的な
    開発に至る期待を寄せていきたいと思い
    ます。地元の政財界の強力な支援体制も
    重要になるでしょうね。

  12. ぱぱ

    xyさん
    ネガティブすぎる笑
    商業施設、ホテル、オフィス、
    娯楽施設(大阪のドンキみたいに観覧車など遊べる場所)広島の若者達が遊べる場所とかなんかを合わせたたてものがたってほしいですね!
    また、その建物と広島にはタワーがないためタワーなんていいんじゃないですか?広島の町、瀬戸内海、宮島、全部が展望できるような

  13. まつ

    ダイワロイネット、ヴィアイン、リブマックスのホテルがオープンし、JR支社跡地にも大型ホテルが入れば、既存のグランヴィア、シェラトン、東横INNなど含めると、北口の半径500㍍以内の狭いエリアに、かなりの観光客が宿泊することになります。ここの宿泊客が単なる駅利用のためだけの宿泊にならないようにするには、科学館とか、プラネタリウムとか、屋内型テーマパークなどどの滞在スポットをつくることが必要だと思います。また、小規模でもベラージオの噴水のようなショーがある施設があれば、インバウンドの宿泊観光客を増やす起爆剤になると思います。

  14. ああ

    若者達が遊べる場所は、新駅ビル内に、東京ドームシティのアミューズメント施設
    のようなものを入れればいい。遊園地のアトラクションみたいなものは厳しいでしょうけど。
    広島には、ホテルが増えてきていますが、富裕層に対応したリッツカールトンなどの
    ような五つ星クラスのホテルがまだないので、支社ビル跡地や基町駐車場の再開発で
    つくってほしい。ともに国の特区指定を受けている場所で、国際的な観光地としての
    土台を固めるため、多様な海外の観光客の受け入れを強化するのは、国も望んで
    いることだと思うし、消費力のある富裕層の観光客が滞在することで、地元経済に
    とっても、活性化の点で確実にプラスになります。

  15. ぁあ

    富裕層が滞在先を選ぶ基準は”都市”か”リゾート”の2種類しかありません。
    都市の楽しみを売りにするなら東京、大阪はもちろん、現状では福岡にもかなわないと思います。
    瀬戸内はリゾートとしてアピールできるエリアだと思いますが
    全域へのアクセスを考えると瀬戸大橋が近い岡山が鉄道、道路共に優位ではないでしょうか。
    宮島と平和公園だけでは、宿泊の動機としては弱く、富裕層向け高級ホテルが立地を決断することはかなり低いと思います。

    • ああ

      広島は2つの日本を代表するような観光地があり、個人旅行主体の海外の富裕層にとって
      定番の観光コースになっています。関西からの移動を考慮すると、たいてい宿泊はするでしょう。
      彼らは、急いで観光するのは嫌いですから。日本旅行における海外の富裕層の
      観光ルートの整備のためにも、そういう方々にふさわしいホテルは必要だと思います。

  16. れん

    空港アクセスが福岡の強みですね。
    羨ましい。
    11月の大相撲本場所、博多座の歌舞伎公演も海外からの旅行者にとって訪問宿泊の動機になりますね。

    • ああ

      日本在住の中国人向け旅行雑誌の編集をされていた中国の方(若い女性)の
      本によると、、中国人にとって九州は温泉らしいです。日本のファッションはユニクロ
      くらいしか知らず興味無く、食べ物もラーメンは本国でも食べられるので、わざわざ
      食べに行きたいとは思わないそうで、個人旅行客にとって、福岡で都市観光と
      いうのは、ないようです。そういうのは首都クラスでないと、やはり厳しいかと。
      クルーズ船の客や団体客は、金がなく、ドラッグストアで買う程度とのこと。
      観光で我々が思っているのと、むこうが思っているのとは、かなり違いました。
      欧米系は九州に行くこと自体が少ないですね。

    • むーばす

      福岡市は地方都市にしては、都市観光の要素を沢山持って
      いて正直羨ましいです。日本の都市観光人気では札幌市
      に次いで、トリップアドバイザーで五番人気だそうです
      から、決して外国人には不人気という訳ではないと思います。

      なんと言っても天神、中州、博多駅という都心部の商業
      集積がすごいこと。また複合開発のキャナルシティ人気
      がいまだに続いているのと、ヤフオクドーム前に出来た
      マークイズや福岡タワーまでのドームシティとももち地区。
      マリノアシティのアウトレットに船でも渡れる反対の
      志賀島と、つながる海の中道海浜公園と水族館マリンワールド。

      地下鉄での移動は案外不便な福岡市ですが、都市高速道路を
      使えば、どれも本当にあっという間の移動が可能な距離に
      これだけのコンテンツがあるのです。

      またそれ以外にも癒しを求めて都市公園を散策する。
      市民の憩いの場である大濠公園と隣接する城趾公園
      を含めた舞鶴公園はとても規模が大きく池があることで
      雰囲気もグッドです。

      歴史探訪なら山笠の櫛田神社や放生会の箱崎宮。
      福岡大仏の東長寺まで、どれも都心のビル街にあり
      近場で変化に富んだ観光が出来るのです。

      中国便はいまや関空が最も充実していますが、
      韓国便は今も昔も福岡空港の十八番です。
      LCC会社がやたら増えた昨今では韓国国内と福岡を
      結ぶ定期便は、一日25便内外が毎日飛び交っています。

      その上、都心すぐの博多港からジェットフォイルに
      飛び乗れば、釜山はすぐそこ。フェリー便もあり定期
      航路が搭乗率の高さから運航するJR九州の稼ぎ頭に
      なるほどの人気ぶりです。持ち込み不可のLCCと異なり
      買い物を思う存分出来る気安さがあります。

      以上のように韓国との人の往来は広島では考えられない
      ほどのボリュームがあることを鑑みると、地の利の良さ
      でもありますが、インバウンド観光は広島も相当頑張ら
      ないと追いつけないのではないでしょうか。

      福岡市は今でもグランドハイアットは高級ホテルが結構
      あるのに、天神にわざわざリッツカールトンを呼んで来る
      コンペを行い、富裕層にもっと来て欲しいというメッセージ
      を示しています。

      当然、これには客船寄港数のことは考えていませんが、
      今でも日本一の寄港数は今後も当分続くでしょうし、“都市
      を運営する”といった現高島市長の戦略は当たっているのか
      と思います。

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