広島市サッカースタジアム等整備事業 2023.06(Vol.13)

Jリーグサンフレッチェ広島の新たな本拠地となるスタジアムが、2022年2月に広島市中区中央公園で着工しました。

広島市が主体となり整備するこのスタジアムは3万人収容で、マツダスタジアムのように多種多様なバラエティシート、VIPルーム等が設けられます。
広場および西側の河川敷エリアと、スタジアム内それぞれの回遊性を高める2層のコンコースも特徴の一つです。

広場と一体となり、旧広島市民球場跡地エリア、広島城エリアともデッキで接続し、
「まちなか」に開かれた新たなシンボルとなります。

2023年末に竣工し、2024年のJリーグ開幕から使用される予定です。

 

前回の状況です。

Jリーグサンフレッチェ広島の新たな本拠地となるスタジアムが、2022年2月に広島市中区中央公園で着工しました。 広島市が主体となり整備するこのスタジアムは3万人収容で、マツダ

 

 

事業概要

【建設中】広島市サッカースタジアム整備事業

 

【広島市公式ホームページ】:サッカースタジアム等整備事業の基本設計

 

【大成建設】:広島市サッカースタジアム等整備事業

(上記HPより)

 

【サンフレッチェ広島】:HIROSHIMAスタジアムパークPROJECT

 

紙屋町との繋がり徐々に ペデストリアンデッキ架設の準備

大成建設が公開するプロジェクトニュースによると、6月時点の進捗率は約53%
これは東側の中央公園芝生広場の整備も含めた進捗率で、スタジアム単体では6~7割という所まで到達している可と思います。

 

今回はおりづるタワーから。

眼下には旧広島市民球場跡地を整備した「広島ゲートパーク」、その背後に大量のクレーンが作業する新スタジアムを望むことができます。
こうして眺めると、県立体育館「グリーンアリーナ」等と合わせて、
この中央公園エリアは人々の交流・スポーツを通した賑わい空間に一気に進化を遂げますね。

そうした施設が街のド真ん中にできていることは、他都市の事例を見ても簡単なことではありません。
人々の活動が見えることって素晴らしいなと、この景色を見て思いました。

 

スタジアムです。

 

この前まで、(かろうじて)スタジアムと分かるレベルまでになったところでしたが、
早くもこのスタジアムの完成形が見えてきていますね!
南サイドスタンドを覆う弧を描いた屋根の骨組みも設置が進められています。
これで屋根が全周揃います。

広島ゲートパークの施設群に折り鶴や並木をモチーフにした逆三角形の意匠が随所に見られます。
サッカースタジアムの大屋根のトラスを支える張弦梁にも、由来は違いますが同様の逆三角形の意匠が用いられます。(こちらは毛利元就の「三本の矢」がモチーフ)

 

(広島市ホームページ『サッカースタジアム等整備事業 基本設計説明書【概要版】 [PDFファイル/29.23MB]』より)

 

ゲートパークを抜け、ファミリープールの横からスタジアムに近づきます。

 

これほど巨大な施設が見慣れた景色に出現するインパクトはかなりのものです。

ここから城南通りを立体交差するペデストリアンデッキの建設が進んでいます。
7月31日から8月2日の未明にかけて、深夜帯に通行止めを伴う橋桁の架設工事が実施されます。

7月31日の深夜~未明にかけて城南通り、8月2日の未明にかけて国道54号を通行止めにし、
上の写真に示す南北方向のデッキと、広島城方面を繋ぐ東西方向のデッキの橋桁を一気に架設するようです。

【中国新聞】:サカスタ結ぶ歩行者橋、夜間集中工事で一帯を通行止めに 広島市中区

 

ファミリープール横、ゲートパーク方面とを繋ぐデッキ整備予定地。
橋脚が姿を現しています。

 

 

 

東側バックスタンドはスタンド裏がほぼ見えるように

城南通り上、東側から。

 

デッキの橋脚とともに、バックスタンドはスタンド裏の足場が外され、
ほとんど完成形に近いスタジアム本体の外観が見えるようになりました!

 

連絡通路から。

 

完全にもうスタジアムだ…
鋼製の白い柱が素晴らしいアクセントになっていますね。重々しくない印象を与えてくれます。
マツダスタジアムに比べると、この2層目のスタンドが大きく感じます。

また、地上部は手前の芝生広場とシームレスに繋がり、サンフレッチェが指定管理を行う飲食店やグッズショップ、サッカーミュージアムが面する空間になります。

ご無沙汰しております。 広島市は、2024年に開業する広島サッカースタジアムについて、 施設の指定管理者を「サンフレッチェ広島」に特定したことを公表しました。 契約に

 

イメージパースと見比べても、完成が見えてきたことを強く実感します。

【大成建設】:コンセプト | 広島サッカースタジアム等整備事業

 

こちらはもう少し東に離れた広島城三の丸から。

 

スタジアムは桁違いの存在感を放ちます。
画像には写っていませんが広島城と対峙しているのもおもしろいです。

 

三の丸エリアでは、先程書いた東西方向のデッキ整備の準備とともに、
広島城天守閣の展示機能の代替を担う「三の丸歴史館」などが整備されます。
これもPark-PFIを活用した取り組みです。

【広島市】:広島城三の丸整備等事業に係る設置等予定者の選定(令和4年12月5日)

(上記広島市資料より)

広島城三の丸整備・スタジアム東側ペデストリアンデッキ 2022.12(Vol.3)

 

北東側から。

 

 

南サイドスタンドと西側メインスタンドの状況

一気に西側に移動しました。

 

先程おりづるタワーから見ていた南サイドスタンドの屋根。

 

アーチ状の骨組みが取り付けられています。
この上に設置される外装パネルはイメージパースを見る限りなめらかの表面をしています。
お金かかっていますね。

 

城南通りを挟んだ南側では、駐輪場の整備も進みます。

ファミリープールの敷地を一部使用しています。

 

改めて、西側メインスタンドの状況を基町環境護岸から見ていきましょう。

 

 

設置された大屋根の骨組みに、実際のパネルの取り付けが始まりました!
外からですが、スタジアム内部の雰囲気も徐々に感じられるようになってきましたね。

 

北西側から。

 

 

 

遠景で感じる『まちなかスタジアム』

広島市西区の竜王公園に上り、市街地を含めたスタジアムの様子を眺めてみました。

 

基町クレド(リーガロイヤルホテル)はこれほどの至近距離。
左奥に目を移せば広島駅周辺のビル群も一緒に捉えることができます。

先日北海道を訪れ、日ハムの新しい本拠地「エスコンフィールドHOKKAIDO」に行ってきました。
数少ないネガのポイントだったのが立地。札幌都心部からは電車を乗り継ぎなんだかんだ1時間はかかってしまいます。
それを考えると、広島は野球もサッカーも立地にはこの上なく恵まれていますね。

プロ野球日本ハムファイターズが2023年シーズンから使用する新たな本拠地、 「エスコンフィールドHOKKAIDO」(北海道ボールパークFビレッジ)に行ってきました! 200

 

サッカーは野球に比べ試合時間は短いですから、場内での飲食ももちろんですが、
試合前後に都心での街歩きや飲食を楽しむ光景が見られるようになるのが非常に楽しみです。

 

望遠レンズで。

大屋根のパネル設置の様子が分かります。

 

広島市サッカースタジアムは2023年12月末の完成予定で、2024年シーズンから使用を開始します。
東側の広場エリアも並行して整備を進め、2024年8月の全面開業を見込みます。

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